ペシェ
むぎのようこ



どこからもとおくの
きみの手足をゆらす風の音
あめの、
裂いたひかりをまねる
キュービック

点をつないで
線をえがいて、それからの
ことは
どうだってよかった
ひだりの
つめたくにごる雲のはし
睨んでは
あっけなくついらくする陽の
のびちぢみする
季節の
トレパネーション

名前が
意味をなさないように
ひとつのこらず
舌にとかして
あわくなる夜のまにまに
からだを浮かべてシュガー、
フロスティ
まだ、あさが来ないから
ふわふわと
まとったままの夏も
ぬげた窓辺から
順繰りにらっかする実り
ほおばるのはゆめ、
いつも











自由詩 ペシェ Copyright むぎのようこ 2017-09-07 00:13:32
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