透明人間
番田
今年もサマソニの入り口を私はくぐった
ベテランバンドだとか古参のバンドばかりが出ていたサマソニ
新しい世代のバンドも元気な声を上げていた
私の世代の文化はもうすでにない
夜 スタジアムに向かう道 そこに 私がいた
私はこれからの世代に期待したいのだ
特に何も無かった 私たちの世代 年老いていた バンドにしても
何も残せなかった 文学にしても 時代の中に
もうすでに 私の 世代の バンドは 消え失せた
私は 若者たちと 様々なアクトを見た
特に何もしてこなかった 私は そして
今年もまた一人ぼっちでそこに立っていたのだった
それは しょうがない話なのかもしれないが
歩いていると手が触れた人がいた
年老いた 私と同じぐらいの歳の女の子ではなかっただろうか‥
偶然当たったわけではないということは 確かにわかった