透明人間
番田 


今年もサマソニの入り口を私はくぐった
ベテランバンドだとか古参のバンドばかりが出ていたサマソニ
新しい世代のバンドも元気な声を上げていた
私の世代の文化はもうすでにない
夜 スタジアムに向かう道 そこに 私がいた


私はこれからの世代に期待したいのだ  
特に何も無かった 私たちの世代 年老いていた バンドにしても 
何も残せなかった 文学にしても 時代の中に
もうすでに 私の 世代の バンドは 消え失せた
私は 若者たちと 様々なアクトを見た
特に何もしてこなかった 私は そして 
今年もまた一人ぼっちでそこに立っていたのだった 
それは しょうがない話なのかもしれないが 


歩いていると手が触れた人がいた
年老いた 私と同じぐらいの歳の女の子ではなかっただろうか‥
偶然当たったわけではないということは 確かにわかった




自由詩 透明人間 Copyright 番田  2017-08-22 23:29:33縦
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