旅立ち
kino125

電球が一つ
ユラユラ

何も感じない身体

手足に拘束具

鼻の頭が痒い
「小人さん 掻いて下さいな」

いつもカカシのタカシが言ってた
きっと動けなくなるって

「私は好きで動かないです」
タカシは笑ってた

電球が一つ
ユラユラ

今日はいつだっけ?
「小人さん 今日は西暦何年?」

そう言えば
カカシのタカシが言ってた

「君は 全て忘れていくよ」

「忘れないよ 忘れたふりよ」

タカシは泣いていた

電球が一つ
ユラユラ

寒い
「小人さん 毛布を掛けてくれない」

カカシのタカシは最後言ってたっけ

「君を 忘れないよ」



「小人さん 思い出したわ タカシさんに伝えて 」

「私も忘れないよ」「さようなら」


自由詩 旅立ち Copyright kino125 2017-08-13 14:37:12
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