楕円の月 
藤鈴呼


ふと見上げた夜空に
月が浮かぶ様も

眺められぬ
日常下にて 

ツキを探すことばかりに
かまければ 

星空と見紛うこと 
いと哀し

つきはまるいと
だれが きめた

護ってくれる筈の 女神
杖を失くして 立ち竦む

池の中に 大切な存在を
隠してしまったんです

どうか 探しては
くれませんでしょうか

細く繋がる美声に
ゆっくりと 耳 傾ける

聴いているからと言って
効いている 訳ではないと

知っていたのにね
カラン と 音がする

アイスティーのグラス内で
重なる氷が ふたあっつ

ああ ほんの すこし
月の色 みたいだね

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自由詩 楕円の月  Copyright 藤鈴呼 2017-08-08 10:27:31
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