花冠
藤鈴呼


花かんむりを作りながら微笑を称えていた少女時代に
戻りたくなりました

少なくとも「おかんむり」の多い世の中を泳ぐ大人よりは
平和に違いないかな?って

戻れるかな
戻れぬかな
戻りたいかな

隊列を組めば シロツメクサの葬列が始まる
恥を忍んで駆けよれば 空に雲
いくつもいくつもポカリと浮かぶ

アクエリアスの飲み過ぎはイケナイと教わったから
少しだけ塩分を溶かした夏特有の飴玉をしゃぶる

カーンとかキーンとか言う鉄球が
あちらとかこちらに浮かんでいて

ここは空じゃないから
軽そうな雲みたいな夢見心地では
生きられないのだけれど

例えば冷たく黒いテーブル
爪を立てれば 一瞬で崩れ落ちそうな
カクテルプール

注いで 注いで
泡の出るシャンパン

思い出を認めるシャープペンシル
そして

花冠を編もうとして 
これはアカツメクサと呼ぶのだろうかと考えました

後ろを振り向いても植物図鑑は落ちていませんでしたので
聞くことが できなかったの

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°


自由詩 花冠 Copyright 藤鈴呼 2017-08-01 12:46:03
notebook Home 戻る  過去 未来