ambroid summer
むぎのようこ



木洩れ日は幹にもえうつり
いおのように游いで
あおいだ瞬きは
そらにとけて微睡んだ
しらむ
コンクリート
放たれていく君の足音の
つめたさに脳が
あせばみ
ふりかえり、照射する窓辺には
表情がない

うつくしい、うつくしい、と
ならべたて匿われ
やわらかなことのは
すばらしいと嘯いては
褪せてゆく
いろどりを口に映して
やがて瞼をやいていくもの
なびいてはしなやかに
仰け反り
ことほぐ、みどりの組成
きめこまやかに
はじいた空き地の群がり
ゆきづまり埋もれた
夕日のおきざり

くりかえしては
鳴らす足許にひかれる
平行線は
つゆにとかして淡く止む
さまたげた殻を
幾つもうかべて、こきゅうする
生きものの、はおとに
じりじりと鳴いて
目を、覚ますよるに
かえるあしおと
ふたたびを何度も
現像しつづける、ひとみ











自由詩 ambroid summer Copyright むぎのようこ 2017-07-27 16:12:08
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