この夏へ捧げる
ただのみきや

炎天下
  暗転する

極めて正直な
光の圧に屈服

発汗 溶解した エロチシズム

レイバンをかけたロダン
    考えない人たち

        薬指に カラスアゲハ
        いなごは佃煮みな殺し

キラキラ 聞くところに
          よると
           ゆめの
          とびら
           ゆるみ

ヒグラシは静かな死らしく文箱へ
ヒナゲシは牛のエサ悲し気な笑窪

        呪いを父とし 大地を母とする
     薊姫は恋歌う 眩暈の中で 
まみれよ 血に
   惜みなく愚かに 
      少年よ 欲望を抱け

概視感
  変換して

    脳は花にまみれて飛んだ
   眼差しの接吻 追ってあの
充血したスカイブルー




              《この夏へ捧げる:2017年7月26日》









自由詩 この夏へ捧げる Copyright ただのみきや 2017-07-26 21:25:00
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