リード
藤鈴呼


擦れ違った何かを探しましょう
ココナツの似合う丘
飲み物に入れることに飽きたから
ヤシの実を探すことにしたの
葉が護ってくれるのは陽射し
落葉の頃に落としておけば良かった枝が
細かく重なり合って 行方不明になる
薪みたいに
そう 例えば キャンプファイヤーみたいに
組み込んでみたら
何かが 変わるかしら

滴るのは汗ではなくて 昨夜のアルコール
オカシイわね 塩と果実の記載しかないのに
私は何に酔ってしまったんだろう
えげつないコマーシャルを眺めながら首を捻れば
いつかの肩凝りを 思い起こす風
そよと哭けば もっと可愛らしい蝉が
ゆっくりと転寝をした

目覚めないの
ちょっと違うの
私が思っている音が
何時まで待っても 聴こえてこないもんだから
調子を崩したわ
例えば 柔らかなタオルならば
この違和感を 拭えるかしら

擦れ違った何かが
首筋に絡み付いて 離れない
まるで ロープで 縛られた風
そよと笑えば とても可愛らしい犬が
リードを外して やって来る
噛み付かないように
噛み付かれても 構わないように
指先を そっと 出すんだわ
そう ゆっくりと

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自由詩 リード Copyright 藤鈴呼 2017-07-26 10:02:56
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