桜散る
渡辺八畳@祝儀敷

まるで出血かのように
両耳から桜が吹き出して
耳の軟骨との摩擦音をたてながら
桃色の花びらは足元に散る
無理にでも平静を保とうと
目の前の私へ必死に笑いかける彼女
しかしその表情は崩れてしまっていて
留めようとしていた涙は
決壊した涙腺から溢れ出して
顔に貼りついた数枚の花びらを流した


自由詩 桜散る Copyright 渡辺八畳@祝儀敷 2017-07-23 14:49:32縦
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