ウォッシュアウト
藤鈴呼


朝から暑いなあと思いながら 
ゴミ捨てを 完了した朝 
出掛けに 炭酸水を手持ちする癖は 
最近のもの 

神奈川時代から培ったのは 
ペットボトルを 持ち歩く仕草 
電車生活が 始まったから 
何か有った時には 水がなけりゃあ大変などと 
大義名分を 振りかざしてみるとともに 
咳き込む瞬間が 唯だ 怖いからなんだ 

乾燥した朝 会議中の喉を潤すのは 
何時だって 緑色の飴玉なのだけれどもね 
温暖化の影響もあるのかしら なんてことも思う 
日焼け止めチューブを 初めて購入したのも
この地に来てからだったなあ、と 

それでも一瞬で 汗とともに 滴り落ちてしまうから
意味ないじゃん なんて言わない 
やらないよりも やったほうがいい 
そう思わなければ 
全ての事象が 色褪せてしまいそうだったから 

ウォッシュアウトする手前で留める 砂粒のように 
ザラリとした感覚だけを 抱きしめて 
今日も 塩一粒 こそげ落とすんだ

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自由詩 ウォッシュアウト Copyright 藤鈴呼 2017-07-22 22:29:56
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