南の島の夕暮れの味
田中修子

ブルーハワイ色のかき氷のした
何万匹もの魚がゆらぐ
あたたかい南の海を
口に溶かす

いちご れもん めろん は
なんとなく うそ
ブルーハワイだけがほんとのつくりもの
いっとう すき

ほんとの ほんとの ほんとにね
私にしかない かき氷があるって思いたくって
とくべつに迷い込んだお祭りにしかでない
まぼろしの 南の島の 夕暮れ色の味があると
ともだちにおしえた

まるで
オレンジに甘酸っぱく
金魚のしっぽでひらひらしてて
爪にぬって落ちてゆくオシロイバナで
そんな
とってもせつないみたいに甘い色の
あじがするんだ と

いつかとくべつに迷い込んだお祭りで
南の島の夕暮れの色の
かき氷を食べたらね
そこにいけてしまって
もう帰ってこなくていいんだよ

なんで嘘つくの

嘘と看破したともだちは
きっとここで生きていける

ずうっと
捜しつづける
またたくまの夕暮れの
シロップ


自由詩 南の島の夕暮れの味 Copyright 田中修子 2017-07-18 02:46:08縦
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