黒蜜
藤鈴呼


満たされる
埋める
覆いかぶさる生クリームとの
戦い

何度 上に登っても
叩きのめされる
可愛らしい苺には
勝てないのだ

毒々しさに気圧されて
嗚呼 だけど 知ってるよ
僕は 黄粉との相性が
めっちゃ 良いんだ
だから とろ~り きみのことを
包んであげる

そう言って 浅く 笑った

スーパーの前
見慣れたワゴン
あの中には ホットプレートがある
あすこなら 僕等 仲良く
生まれ変われる

包まれてあげる
包んであげるなんて 言われなくても
包まれて揚げられる

クレープに なるんだ

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自由詩 黒蜜 Copyright 藤鈴呼 2017-06-27 22:28:50
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