黄色いスープ
藤鈴呼


塩味の効いたオツな味わい
マラソン選手が息を切らして駆け付けると
馨しさに舌も眩みそうになる 黄色いスープを
差し出されると言う

月桂樹はクスノキ科だと言う
箪笥にゴンゴン ナフタリン臭
漂う大人は御存知ですか
などと言っては ニヤリと笑う唇が 
薄く紅を引いて 福神漬けと化した

あとは米粒
白く 艶のあるヤツがイイ
雪の季節は とうに過ぎ去ったし

照りを出すなら ローリエがおすすめですが
一度も肉とのデートを 楽しんだことがない

鍋の中で 
ぐらぐらと煮込むシーンばかりを夢見ては
毎夜 魘されるばかりで

結論は 早い方が良い
その冠 被らさして もらえるんですか
雌雄異株ですから 
どちらの瞳が真実なのか 解らない

語れない正解のマークが
まるで オムライス上のケチャップみたいに
自己主張をはじめた

黄色いスープだから
スパイスが 思い切り効いているってことぐらい
直ぐに 連想できるのでしょう
本当は 脇役だって 構わないのに

うっすい味わいの方が
印象に残るようなことも
あるのでしょう?

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自由詩 黄色いスープ Copyright 藤鈴呼 2017-06-26 10:12:20
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