隙間愛
藤鈴呼
北キツネに憧れて
電動のこぎりを動かした
三角の耳が 上手く切り取れずに
円みを帯びた思い出
指先は白く爛れ
ラッカーの跡が 哀しく光った
網紐で括られた世界
挟まった一通のラブレターが
全てを掬った
ザルのように酒をあおる毎日でも
隙間から零れる心が有るだろう
八重の桜と空の隙間に
陽光が差すように
私達は
限り無く 自由だ
擦り切れたスニーカーで
何処までも走ろう
唇の先が歪んだなら
もう一度 縫い合わせて
秘密のおとぎ話は
胸の内に 仕舞って
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自由詩
隙間愛
Copyright
藤鈴呼
2017-06-23 09:46:14