赤い川
服部 剛

酔い覚めの夜は
歩道橋に佇み
優しい風に身をさら

アスファルトの白い梯子はしごから
仄明るい駅の入口へ
吸い込まれゆく
人々

アルコールが少々体内を
回り過ぎて
充血した瞳には
眼下の人々の流れが
血液の川に視えてくる

赤い赤い川の水面みなも
金の粉等は煌いて
今宵
不思議のうたは囁かれ

あぁ、全ては万華鏡に流れゆく
人も
時も
思い出の数々も

 ふぅ…

歩道橋の下を
幾台かの車が行き過ぎる

この世の夢魔から
覚める日まで
日々の風景をふらつく、僕は

一輪の純白な薔薇を
明日の窓に飾ろう  












自由詩 赤い川 Copyright 服部 剛 2017-06-10 23:51:36
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