途中からよくわからなくなった習作
えこ

火の消えたタバコを自分の左手に擦り付けた
それがせめてもの断罪だった

罪と知らず犯す罪は
知らずの内に他人の罪になった
償うことも
学ぶこともせず大人になった

誰にも知られず犯す罪は
知らずの内に忘れていた
罰も受けず
繰り返していた

白線の外側に爪先を踊らすあなたと
白線の内側で立ち竦むままのわたし

何が参りましょう
便利な鉄の塊か
わたしが参りましたか
白線か白旗か

灰まみれの左手で白線をなぞる
あなたの輪郭を描く
もう
見えない





自由詩 途中からよくわからなくなった習作 Copyright えこ 2017-05-29 23:29:35
notebook Home 戻る  過去 未来