袋小路にて
坂本瞳子
切ない刹那が押し寄せて来る
夕闇の蒼が蔓延する
冷えた空気が始める
黄昏の
時刻
(
とき
)
鳳凰は虹色の尾を誇らしげに振りかざし
人間
(
ひと
)
の体温を上げる
蝙蝠の雄叫びが遠くで響く
他の何者でもない
彼の人は現る
混沌
(
カオス
)
が堕ちてくる
不意に
足音も立てずに
後退りをするな
どうせ逃げられはしないのだから
自由詩
袋小路にて
Copyright
坂本瞳子
2017-05-25 00:33:35