つつじヶ辻
かんな



君のうなじが
白くうつくしいので
ことばを失くし


つつじ柄の着物に
雨が落ちてくる
そっと和傘をひらく
しぐさに湿り気が帯びる


 四つ辻まで
 ご一緒しましょう
 私のこころも
 今宵はあちらまでです


つれないような
試されてしまう君の
ゆるりとした調べに
身を任せてしまう


着物の縫い目に
きもちが解れていく
君のうなじに
ふたたび目を向ける




自由詩 つつじヶ辻 Copyright かんな 2017-05-24 12:54:40
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