洗いざらし
はるな



さて今日も花が咲き
往来はあざやかな灰色
卵を割る指に思いが絡まって

( )

シャツを洗い シーツを洗い くつ下を洗い
はがれ落ちる自意識をかき集めてくり返し洗い
窓を拭き窓枠を拭き床を拭き
洗いざらした自意識をとりこんでアイロンをかけ
双子の卵を焼き パンを焼き かわいてしめる肌を焼く
この夢は現実だ
ビルが建ち バスが行き そらを鳥がすべる
わたしは立ち 服をつけ いちど仰向く
一生かけて忘れようとおもう
だらしなくて愛しいあなたのことは



自由詩 洗いざらし Copyright はるな 2017-04-30 08:43:09
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