愛する
千波 一也




わたしの
拙い手のひらに
留まるものなど知れているから
ひとつ残らず
惜しみたい

だから
わたしは定義しよう
愛することは得ること、と
疑わずにいよう

花びら一枚ほどの
頼りなさがわたしでも
花であることを
貫き通せたならば
なにか
遺るにちがいない

花であることを
まもり通せたならば
なにか
継げるにちがいない

だからわたしは
咲いていよう
愛することは得ること、と
過たずにいよう







自由詩 愛する Copyright 千波 一也 2017-04-28 22:40:41
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