ehanov

雨音があって、手の届くところに煙草があったので、良かったと思う。
余裕なことと辛いことが、言葉を持たずに浅い水深で入り混じっていて、心臓の鼓動ばかりが耳につく。
時計はまだゆっくり刻むと思う。もうじき梅雨だから、春を遠く感じるのか。
どうだろう、今はなんであろうと遠い。すべてが徒労だ。
徒労感で、望むことや期待が保たない。
汗ばむ手のひらに、せめて雨粒の一滴でも落ちてくれたらと、一瞬だけ口角を上げる。


自由詩 Copyright ehanov 2017-04-24 20:43:42
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