四月のデニーズ
番田 


日曜日は雨で 午後に馬喰町
久しぶりに私はSと二人だった
どこに行くわけでもなく行き慣れた喫茶店で
そこで 私たちは日常についての話をしていた


言葉は私たちから話された
そこに意味はあるのかどうかは 今は
わからないけれど
彼と話す言葉の感覚は 嫌いではなかった


雨が外はずっと降り続いていた
私が何杯も飲んだ テーブルのコーヒー
テーブルのデニーズの色の硬さの 失われていく
透明な時間の中で


どこに私は 行くのか
どう生きていくのか これから だけど
わからない 何も そして ただ 
夢見た楽な生活を思い描いていた



自由詩 四月のデニーズ Copyright 番田  2017-04-23 21:45:07
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