桃色の雪
藤鈴呼


何時だって 
哀しい雪だね

子供たちが まとわりついて
皆で固めた おしくらまんじゅう

本物の大福は 美味しすぎて
もう 食べちゃったけれど

もっと大きな 世界一の大福を 作り上げた
誰かが 人より大きな かまくらだって
叫んだよ

みっともないくらいに
吹雪いたのは こころ

コロコロと 雪玉が転がる道
踏み締めて 歩く 人達

ねえ 何に 縛られて 生るんだろうね
眩いばかりの光の色で 霞んだ夜景

何時だって
寂しい雪だね

桜の季節がやって来ると はしゃいでいる子供達
あんなに楽しかった冬の日々 すっかり忘れちゃって

はらはら 雪の結晶を 眺める代わりに
はらはら 舞い落ちる 花びらに笑う
そんな姿に はらはらするよ

何時か 
楽しい雪に なるのかな

溶ける 手前で 見つけた
雪兎 みたいに

可愛らしい耳を ピョンと立てたら
桃色の雪に
辿り着けるかな

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自由詩 桃色の雪 Copyright 藤鈴呼 2017-04-23 13:20:38
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