冬季休園
藤鈴呼

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コメントを 受けて企画の 意図を知る

ひな祭り 昔の雛は 何処消えた

雛じゃない 姫かそれでは 図々しい

ズズズイと 甘酒じゃなく 飲むポン酒

ポン酒なら ちょっと甘いの 良い感じ

あらばしり 辛さ仄かに 利いてくる

段々と 呑兵衛のよう 今は昼

夕刻に 楽しみなのは 晩酌か

やはり俺 呑兵衛なのか そうなのか

こうなれば 呑兵衛でイイ そうしよう

雛は待つ 酒が貰える ひな祭り

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輪を浮かべ 笑う天使か 孫悟空

如意棒が 伸びる理由は ソーセージ

魚肉なら 今直ぐ潰せ 蒲鉾に

笹かまを 炙りパクッと 舌火傷

火傷して ピリリ辛さも 思い出す

思い出す 今日はどうやら 雛祭り

パフュームか? 違う三人官女だよ

三色の パルファム揺れる ひし餅に

ひし餅に 尻もちついて 笑われた

春の雪 降ってるような 金平糖

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煌めきの 粒を舐めては 千鳥足

ひたひたと 夜空の下を 歩いてる

扉開け 叫びたいのよ 只今と

囁きは 呂律回らず 呑み込んだ

共に飲む 星の涙と アルコール

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海沿いを 見つめ戸惑う モアイかな

西日射し 追い駆けっこよ 赤き頬

崩された 兎の耳も ピョンと立ち

跳ねまわる 縦横無尽 芝の上

常夏の 飛沫が浮かぶ 白兎

消えそうな 道路に立つは 雪兎

イースター 身近なものは トースター

チンと鳴り 香ばしさだけ 昇る朝

太陽に 負けじ笑顔も 耀いて

楽しげな 声が今にも 響きそう

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ぼんぼりが 照らすアナタの 唇を

飛び出した 思い出話 揺れている

三層の 岩場に仕舞う 雛人形

大地には 涙の雫 染みて逝く

見てみたい 大人になった 雛人形

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「テーゼとは なあに?」 定立 「ありがとう」

倒立の 隙間で生きる 逆さまを

逆立ちを しても戻れぬ あの頃に

ポケットで 砕く 現在・過去・未来

秒速で 駆け抜けて行く 音紬

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まスのなか シーラカンスが おさまり〼

魚拓には 決して乗らない 墨つけない

輝くは 鱗煌めく 回転軸

軸足を 固定したまま 振り返る

ムッツリと シーラカンスは 笑わない

シカのツノ カクノシカジカ 言い訳を

言い訳の 代償にする 象牙かな

牙を剝く 鏡で顔を 御覧なさい

バナナ持ち 説教をする 鱗かな

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紫は 絶妙な味 青と赤

飾り物 手で引っ掻いて 削りたい

アメジスト ヒヨワなツメじゃ ケズレナイ

削れるは 「満たされない」の 心だけ

胸元に ブローチ飾り 満たされる

身ばかりで 重宝するの 宝石は

その内に 心も浄化 されるかも

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黒板に 思い出描く チョークかな

消させない 黒板消しは 隠します

増やさない 瞬時に避ける チョーク投げ

バケツ持ち 廊下の隅で 画策し

この水を かけてやるゾ! と 狙ってる

良くみてよ 水じゃないのよ 熱湯よ

思い出で 水も沸騰 雛祭り

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浮き輪揺れ これがホントの 玉の腰

受け継ぐわ 緑内障と 白内障

描きたい 顔が分からぬ お雛様

サマなんて エラそうだけど ホントなの?

ごっこなら 学校ごっこが 好きだった

しあわせを ゆだねられても こまるもの

流し目で 涼しい心 揺れる夜

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自由詩 冬季休園 Copyright 藤鈴呼 2017-04-22 12:52:45
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