石橋の唄
藤鈴呼


間違いを犯した
誰かが和えた カルボナーラ

いつもの 生クリーム
しっとりとした 蜜の味

他人の秘密

人間と言う 大きな括りの中で
カテゴライズを してみる

履歴書にも 肩書きにも
組み込まれない

これは 秘密の味なのです

茫然自失
正に そう呼ぶに相応しい

状況としては 否定的
さも有り南無
そんな言い訳ばかりが

バラバラと 降って来る
バラバラに 振って来る

団扇か 扇子か
どちらを選ぶかは
君のセンスに 委ねられ
私は 結果論を 待つばかり

論調は 優しいが
反論は 許されぬ
下されるだけの 運命

和えるものを 間違えたのだ
漸く 気付いた
傷付いただけでは
恐らく 足りなかったのだ

惧れを成す 必要悪まで
茄子炒めにしてしまったから

ピーマンの代わりに
パプリカを添えても
結果は 同じなのだと

今度は どうしましょう
ホウレンソウが キライなのですね

されば 胡麻は 黒く 塗りたくりますか?

二度と 逢えぬように
二重線で 消した言葉だけが
宙ぶらりんで ぶら下がる

二本の箸で作られた
レール状の 空間が 笑う

日本の橋は そんなに高くない
一度 登ってみると 良いですよ
商人が 呟いた瞬間

高いの意味を 勘違いしていたと
高笑い

金ピカの コイン 幾つ 積んでも
石橋は 完成されない

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自由詩 石橋の唄 Copyright 藤鈴呼 2017-03-29 18:58:56
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