自己嫌悪
小川麻由美

久しく遠ざけていた言葉

自分と他者を比べてしまった時
根底を揺さぶられ
成す術もなく
流れるがままの涙に身を委ね
平常に成るのを待つしかない

素晴らしいものに出会ってしまった

甘い毒のように
舌では快楽を与えられるのだが
じわりじわりと浸透すると
倦怠感に襲われる
諸刃の剣の振る舞い

宙の一点を凝視し先を見据える

ふたたび覚醒した
自分が成す事ができるのは
いったい何かと思案する
言葉の選択を繰り返して来て
更に繰り返すプロセスを辿る

自分にしか出来ない思案を成す

書く喜びこそ 
自分を繫ぎ止めて来た事実が在る
またもや宙の一点を限りなく凝視し
見える事のない未来に焦点を合わせ
今日も文字を連結させた


自由詩 自己嫌悪 Copyright 小川麻由美 2017-03-29 16:53:24
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