正夢
しずる

夜のとばりが降りる頃
君の少し汗ばんだうなじに
おそるおそるてを伸ばす
これは夢だ

君のぬくもりに胸は震え
唇のやわらかな感触を感じながら
君の黒髪をゆっくりと撫でる
これは夢だ

気づくと君のまつげは
涙のしずくで濡れていたので
そっとまぶたに口づけする
これは夢だ

君を抱きしめたくて
これ以上困らせたくなくて
目覚める努力をする
これは夢だ


自由詩 正夢 Copyright しずる 2017-03-26 18:17:47
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