ふるえる瞳の物語
藤鈴呼


くるくる まわる
ちいさな 夢を
追い駆けてる

全ては メリーゴーランドのようだって
おとぎ話から 飛び出して来たかのような
きみが 言った

少女と乙女と淑女と祝辞の境界線が
ちょっと 分からなくなった

ふりふりのカーテンの向こうで
微笑んで居る存在に対しては

全て 拍手で 称えなきゃ
そんな 強迫観念が 芽生えて

その日から ぼくは
あの 赤い チューリップも
この 黄色の たんぽぽも

もしかしたら 白くなるべき 頭の毛も 
ひっくるめて

みな 愛でたいのだ
そう 表現するように なったのだ

だけれども
ゆっくりと こぼれた ライターの灯が

それは ちがうよ と言う角度で
微笑んだ 筈は ないのだけれど

そんな風に 見えたから
ほんの ちょっと 戸惑った

その 止まった空気の中でも
燃え続けるもの

それが 愛だと
君は 主張して

ぜったいにぜったいにぜったいにぼくは
まちがってなんかいないやいって

つぶやくから

もう ぼくは
なんにも いえなくなって しまっていて

癒えなくなって しまって生て

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自由詩 ふるえる瞳の物語 Copyright 藤鈴呼 2017-03-20 15:06:02
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