スライス eyes
藤鈴呼



くり貫いた目玉に映るスライス
お子様ライス
生卵
半分だけ とろけたチーズ
ぐちゃぐちゃに かき混ぜる役目はフォーク

陥るばかりで
夢の隙間については
それほど深く 考えたことが なかった

本当は もっと本気で 熟考すべきだったのかも 
知れないが
いかんせん 煙たいハンカチが 視界を染めていて

砂埃よりも 雪の舞う季節柄
それらは ちょっとだけ突出した 桜の蕾よりも
はるかに目立った

わしゃあ寝るばい
何処の台詞なんだか 分からないけれど
布団を丸めたままで 呟くと
枕が 飛んで来た

そのまま ふわふわの豆腐に ぶつかって
はじけたかに 思えたが
夢は そこで 途切れた

違う
私が欲しかったのは オムライス
出来れば 甘くないやつ

塩ぱっぱ
そのくらいが
丁度 良いのですが

叫び声が 響くから
もう 人匙だけ
甘味を足そうと思うのです
いかがでしょうか

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自由詩 スライス eyes Copyright 藤鈴呼 2017-03-06 09:45:35
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