答えを出すのが正しいわけではないということ
AquArium


まるで世界の中心だ、
と言わんばかりに虚勢を張っては
わたしを試そうとする

そんなところも
実にあなたらしく
ただ微笑ましく見つめるだけで十分だった

久しぶりに感じたあなたの空気は
わたしといた頃よりも
随分とくすんでしまったように、思えた

時折滲み出てしまう
弱さの先には
まだ崩せない過去への執着が、見えた

わたしの名前を頑なに呼ばないのは
鮮明なままの胸に疼く思いが
たくさん秘められているんだろう

あなたがたとえ
どんなに落ちぶれていても
あなたであることには変わりない事実で、


くやしいほどに現実で


右斜め上を見た
固く結んだ口元に
少し潤んだ目

ほんとうのあなたが
時折顔を出しては、
ますますわたしを動けなくする


わたしはあなたを再認識する
わたしはじぶんを再認識する


どれだけ弱くて繊細な人間かを
どれだけあなたの存在が欲しかったのかを


好き
大好き
愛してる
ずっとそばにいて
もう離れたくない


どの言葉も当てはまらなくて
わたしは途方に暮れた


途方に暮れたの






















自由詩 答えを出すのが正しいわけではないということ Copyright AquArium 2017-03-03 22:48:27
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