しあわせのチョコレート
藤鈴呼


あなたがこねた まほうのしずく
捏ねた? 何を? 粉を
雫? どんな? 魔法
繰り返し 練り直す

冬休みの宿題を そろそろ完成させないと
卒業させて もらえないのと 君は 嘆く

例えば あれを見て御覧なさい
足跡の形に捏ねられた 二層クッキー

口にする度に 溶けるチョコレートならば
心地良いのは 丁度2秒だそうな

カリカリと 砕けた姿を 連想すると
出来上がったばかりの絵画のように 愛おしいけれど

これが 眺めるだけならば
意外と寂しい結末が 待っているのかも知れないの

やっぱり 甘いものは 笑顔になれることが 肝心
涙色のチョコレートよりはね

ちょっぴりビターでも 
舌を出すくらい面白い出来事の後で
唇に触れた瞬間を 連想しているのが 素敵

このお菓子は 未来への 道しるべ
刻む度に小ちゃくなる葱みたいに
放置しておくと 勝手に涙も流れ出しましすが

ちょっぴり味わい深いから 
コクが出るまで待つのです

足跡 踏み締めて 地団駄踏んだ瞬間を 
思い出せぬ程 大人になっても大丈夫

その味が あなたを 懐かしの世界へと 
導いて くれますから

その足で あなたは 
歩めば 良いだけなのですよ

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自由詩 しあわせのチョコレート Copyright 藤鈴呼 2017-03-03 10:35:02
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