春だから五つの短歌
印あかり


コンクリート塀で爪を削ったら香ばしいかも春の日和に


春の雨青いペディキュア塗ったのに取りだす長靴の中には蜘蛛


風船のゆくえを見ていた昼下がり友の顔が思いだせない


東風吹けば自転車のろのろ焼きたてのパンの袋がゆるゆる萎む


クッキーを零してしまった春ショール咎める母はここに居ないし



短歌 春だから五つの短歌 Copyright 印あかり 2017-02-28 16:35:09
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