葉leaf



人間を開けるための鍵は
どこにも売っていない
水道管から漏れ出た水とともに流れ出すように
都市の末端に転がっている
人間を鍵で開けると
中に隠されているものは
小さな地球
人間はこの地球を中心に
ぐるぐる回っているだけなのだ

いつも鍵をポケットに入れて歩いた
この風景を一つずつ開いていく
そのための鍵が無数にあった
この宇宙の進行をしばし停止する
そのための鍵はとても小さかった
人の心を開いていく
そのために鍵はいらなかった


自由詩Copyright 葉leaf 2017-02-25 14:22:47
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