卒寿のかげ(五)
信天翁

野の鳥のさえずり とだえて
    空が深いなか から
 巡回豆腐屋の拡声器だけが
        冴えわたり
  猫背の髄は 傾くばかり

   金属にも疲労があるという
           ましてや
卒寿を越えた 人間においておや


自由詩 卒寿のかげ(五) Copyright 信天翁 2017-02-25 10:13:08縦
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