ふるえるチョコレート
藤鈴呼


サヨナラを告げる隙間風
ぽろん・ぽろん 流れ落ちたのは
カラフルチョコレート

この 涙の代わりに
窓枠を 叩きつけるような 透明な液体が
何度も横目に映るから
気が散って 仕方ない

ワイパーは 動かしてないのに
次々と 嘆き続ける 右側の窓
飛沫が上がる度に

かなしいよ
さみしいよ
くるしいよ

どんな言葉が 飛び出して来るのか
ちょっとだけ 期待した

言葉は機体に溶けて
想いは気体に溶かして
ミックスチョコレート
全て 混ぜこぜに

このボタンを押すと
次のカカオが 流れ出します
何処で止めるかは 自由ですが
一応 あなたが作るのは ケーキですから
3センチくらいは 必要でしょう
それ以下ですと
ちょっと春先の やる気のないゲレンデよろしく
下地が出て来て 格好悪いです

別に
性の格を
全て さらけ出したとしても
気の持ちようを
誤ち解きほぐそうとも
本物の愛の情ならば
正しく確り伝わるものだと
信じたいのですが

未だ不惑ですか
惑いながら
震えながら
活きて 行くのですね

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°


自由詩 ふるえるチョコレート Copyright 藤鈴呼 2017-02-23 21:44:16
notebook Home 戻る  過去 未来