ひかり 言葉
木立 悟





水音のなかに
時間が並ぶ
どこを切っても
倒れゆくもの


耳元の螺子
洞の夢
すぎるかたちの声たちが
すれちがうたびに語りあう


勝者も無く花冠は増え
言葉も無く言葉は増える
針の雪 川に降り
流れない 鳥の影


亡き草が
原と砂をすぎ
夜明けの街の
ひとつの窓の灯りを見つめている


風と羽のさかいめに
壁と壁と壁のはざまに
封じたものを解くように
枯れ木は重なり 身をくねらせる


川の水は増し
緑になり 金になり
呑みこまれるかけらたちの
変化に呼応し かがやいてゆく


動く音
ゆうるりと 曲がる音
ゆらめくものを振り返る影
流れに映らず 飛び去ってゆく






















自由詩 ひかり 言葉 Copyright 木立 悟 2017-02-22 11:38:59縦
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