閉塞感
小川麻由美

開け放たれた窓に向かい
今朝の私は おびえる
容赦なく冷気が
室内に充満する
窓を閉める事ができない
閉塞感の囚われの身だから

朝の目覚めは予測できない
グレゴール・ザムザだって
虫になりたくなかっただろう
ゴドーをを待ちながらを
体験したい心でいっぱいだ
閉塞感の囚われの身だから

ここから抜けたいとは思う
成す術を探そうにも
閉塞感が行くてをはばむ
沈められた閉塞感が頭をもたげた
向こうに黒々とあるものに
嘘をついてはいけない

歴史が雄弁に語っている
ロウで塞いだ耳は
届くことを知らない

そもそも閉塞感に雄弁になれはしない
語った瞬間に すでに嘘になる
誠実でありたいと思えば思う程
身を潜めたり 無言になる

冷気に身をさらし
うなだれ 成す術もなく
一本の道をゆく


自由詩 閉塞感 Copyright 小川麻由美 2017-02-18 07:34:14
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