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初谷むい

きみが生きているのがつらいふとももから鋏を入れてはだかにならなきゃ

眠りすぎて朝が来ないの夕方が腫れているから飛ばない鳥が

脳みそがからっぽですって警告に吐きそう誰かの手を握り続けたい死ぬ前の美しいように

ケーキ屋で試食をしたら褒められた夢だったけどおいしかったよ

眠っても眠っても起きてしまうからわたしの雉はもう死にません

ひとららはいやだと人に送るのをやめたよ歌のようだったから

おかあさんが掃除機かける音だけがずっとしていてみんなありがと

こわいみんな死ねっておもう 目を瞑るの瞑るという字がお弔いです

知らない人皆やさしくて泣いちゃうねわたし助けるから絶対に





春になる心の調子がおかしくてうまいこと楽しくられなくなってしまう。布団の中でアルバイトまでをすごしアルバイトはな行き嫌いな人のツイッターと好きな人のツイッターと嫌いな人のツイッターを交互に交互に眺めてから目を閉じる。長いこと眠っているからたくさん夢を見る。痛いことなんてひとつもないのに痛みがあってそこがどこだかわからない。眠れない時はくだらないゲームをやる。ゲームが下手くそだからすぐにやめてしまう。夜は長くて終わらないら、朝を見たことがない。だれか朝日を見に行きませんか。だれか朝日を見に行きませんか。そんでよかったねって笑ってくれませんか。わたしは知らない町にアルバイトに行く。すこし泣いてしまうかもしれない。わたし知らない町はこわい。



短歌 S Copyright 初谷むい 2017-02-16 14:03:19
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