金の花びら
ひだかたけし

ふわふわ
漂い
ゆっくり落ちる
金の花びら
わたしは貴女を知らなかった

[磯の香 、 零れる光滴 、 白波の残響]

あの青い青い宇宙の大海原
貴女は幾人もの従者を連れ
喉を震わせ優雅に残酷に
謡い舞う、舞い謡う
その細く長い両腕を
時折優しく交差させ
さっと広げて円描く
そうして遂には電光石火
纏った白装束よりさらに白い
大理石の四肢を剥き出しにして
黄金の火花を散らす、荒波のなか

[終わりに向けてか 、
 始まりに向けてか 、
  ただただ烈しく
   火花散らす 、
    この宇宙の大海原に
     貴女は次第に遠去かる 、
      微かな笑みを浮かべながら]


ふわふわ
漂い
ゆっくり落ちた
金の花びら
わたしは貴女を知らなかった
ー未だ貴女を知らないままに


自由詩 金の花びら Copyright ひだかたけし 2017-02-08 15:21:06
notebook Home 戻る