風街ろまん
梅昆布茶

風には色がない
想いにはかたちがない

自身のすべてを解ってもいないくせに
何かをひとに伝えようとこころみるも
手応えひとつ得られず

脱け殻となって
風化する前にもうちょっと
生きてみたいとおもう

正確なものは滅多にないが
でもそれが生命というありかたなのだと

時間には目盛などありはしない
すべての時計が刻むあゆみがそれなりの価値をもつ

それぞれの風の通り道を宇宙が通り過ぎてゆく
森の消失した曠野にムラの瓦解した街にも

いつもある傍に召集令状みたいな請求書

3LDKの二間が空いても家賃¥45,000

Lineの向こう側風邪で寝込んでるらしい君のスタンプ

何度目かの自己破産にて負債がいきる証かとも思う

部屋の隅に置いたガスストーブで僅かの暖をとる純粋労働者たらん

こころには区別がなくて色も滅多に着いていないが
ちびた鉛筆を舐めてもう少しそのスケッチをしていたいと

いつか淡彩で色をのせたら
君に見せてあげたいだけなんだが




風が吹いていた
街は瞬いてたし

夜は意外とみじかく結審して
断罪が確定するだろう

読み返すこともない時間と

相変わらずぼくは変なおじさんだけれどね。




















自由詩 風街ろまん Copyright 梅昆布茶 2017-02-07 11:04:07
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