灰樹花
藤鈴呼


何処から生まれて
誰と つるんで
どんな習性を持つのか

環境の 所為だけにして
味わえぬ日々を
噛み砕くように

ぬめぬめのスープに
割り入れた
鶏ガラの素

素材は 木野子
舞茸の中国名は
何と 読むのか 知らぬけれど
灰の樹の花と 描くのです

ぬくぬくと 炬燵の上で
例えば
暖炉を鳴らすような
パチパチと言う音
これが 一番
最高なのだけれど

天婦羅は 
油が飛び散るから
熱いね

気持ちが 厚過ぎて
測れなくなった時
中から 出て来るように
心臓を 突きたいけれど

駄目なの
気持ちって
心臓の 中には いないから

それじゃあ 脳味噌みたいな
白子鍋なら イケるかって?
そういうハナシ

スリムになって いくんです
まいたけスープで
この身ごと

磨り潰して
噛み砕いて
自らも 崩れ落ちる
手前で
留まる

ナラ カシ シイ ブナ
呼び方は 沢山ある
ただ お気に入りの心材に
身を寄せて
あたたまる

胞子のように
いつかの 夢を
飛ばす

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自由詩 灰樹花 Copyright 藤鈴呼 2017-02-03 10:41:16
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