漂白
赤依研児

青く澄んだ空を見上げれば
白いシャツが一枚
笑顔でひらひら飛んでいる

ああこんなにも素晴らしい
透き通った世界が広がるのに
君は安定剤の飲み過ぎで
あまり安定とは言い難い状態

漂白された声がきこえる
遠くからきこえてくるのか
僕のそばからきこえてくるのか

ふんわり溶けた風が吹いて
それさえも曖昧になる

明日のにちようび
君はきっと僕を刺し殺そうとするだろう
僕はあの空を舞うシャツのように
ひらりひらりとかわしてみせる


自由詩 漂白 Copyright 赤依研児 2017-01-22 22:53:17
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