煮込みうどんが出来上がるまで
藤鈴呼


あつあつ の うどん
はふはふ と たべる

ほおばる 舌が
火傷しそうな程の

熱で
溢れてる

仲良く 煮込まれたいと
欲しているかは 知らないが

分厚い 蒲鉾は
君の 唇

太くて長い 御饂飩は
私の 良し

意思 薄弱だ なんて
千切る歯を立てて
笑う

グツグツと 煮える姿
泡の向こうに
煮え切らぬ表情の
アイツ

アツイほどの アイツの想い
握りしめた まま
握り潰せも せず

オセロのように
引っくり返したり
とっくり返したり
徳利を探したりしながら
時を待つ

松の上に留まる朱鷺が見られるのは
きっと こんな季節

北風なんて なんのその
だって 白と赤

あたたかな 鶏色は
幾つまで経っても 
健在なのですよ

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自由詩 煮込みうどんが出来上がるまで Copyright 藤鈴呼 2017-01-22 14:51:46
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