メモ
水宮うみ


メモ帳には、
「さっぱりと空っぽになって、空を見ている
たとえ世界にとって新しいものはなくても、僕らは新しいものと出会い、日々を暮らす
別に、今日しか、今しか見れないものではなくても、今の空を確かに綺麗だと感じる
世界は、今を綺麗だと感じていますか?」
と書いてある

何かが足りない。
と、メモ帳を見て思っている。
気持ちを言葉にして整理していくことは楽しいが、
それでもなんだか満たされない。
思いついた言葉をメモしていなかったときの僕は、満ち足りていたんだろうか。
未来の、例えば十年後の僕に聞いてみても、「本当に、何が足りないんだろうね」と、返される気がしてならない。
メモした時、これは確かに、一つの答えだった。


タイムマシンがあったなら、
「その時その時のメモを集めていったら、どうなるんだろう?」
と、今すぐ十年後の僕に聞いてみたい。

という文章を書いてる内に、僕が驚くような答えを、
十年後の僕にこっそり期待していることに気付いた。
未来の自分に期待することは楽しい。
案外それが答えなのかもしれない。と、なんだか少し満たされた。

この文章はタイムカプセルだ。
十年後、この文章を読んだ僕が何を思うのか、十年前から楽しみにしている。



自由詩 メモ Copyright 水宮うみ 2017-01-18 23:25:16
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