冬の悲しみ
レタス

深くて暗い悲しみに
今日も小雪が降りかかる
集めた辞書に言葉無く
林の奥の細道を
震える肩を抱き絞めて
歩いても
歩いても
たどり着けない場所があり
カラスだけが空を舞う

深くて暗い悲しみは
耳を閉ざして聞こえる音曲の
アダージョに侵されて
冷たくなった手のひらに
頬笑みかけるものもない
林の奥の細道は
夕暮れどきに閉ざされて
行く先さえも解らない
ほとり ほとり
落ち葉を踏みしめ
今日もゆく




自由詩 冬の悲しみ Copyright レタス 2017-01-03 04:42:30
notebook Home 戻る