初谷むい



ほしいものなんにもないの 軽いなと言われて笑ってしまったりする

大勢の中で二足で立っていてえらいわたしは。 ここどこですか。

なんにもいらないそれは苦しいおもっているだけでみずのなかぽぽぽろ

わたし〇〇たら(ても)きみはそれに気づかないかもしれない風で動く観覧車

ねえわたしわかりきってる穴埋めのクイズ埋めるためにこわしたの

すこし暴力になれたらよかったのかなあ赤くて鼻血の雪道だった



ほしいものが一つだけありそのためにすべてが勝手に死んだ


勝手に



風呂場にて自分の乳房おしてみるほろびと愛のかさなる部分

せまいせまい惑星だからまた抱いてわたしのことを忘れて抱いて

わたしはなにがほしかったのいい子みたいな名前に生まれてなにが

欲しかったきみの きみ のことを考えるところがすこし腐ったので棄てた すき

いい子でいる はたんしている 欲しいものを指折り数えてだいじょぶなのに


短歌Copyright 初谷むい 2016-12-29 16:43:07
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