臼の陽の目
朧月

外に臼がほしてありました
もうすぐもちつきだからです
家族はそれぞれに白い息をはいて
うったり
うたれたり

白くて柔らかいもちを
家族の手でまるめて
少しいびつなそれは
部屋に飾られるのです

だれの手で編んだもちか
なにを包んであるもちか
お正月には
それぞの碗の中におさまるのでしょう

臼はただ
毎年の光景を思い出しながら陽をあびているのです


自由詩 臼の陽の目 Copyright 朧月 2016-12-25 12:01:32
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