降誕の夜
服部 剛
聖夜――教会に集う私たちは
蝋燭
(
ろうそく
)
の火を一人、二人……と増やしてゆく
私たちは探している
暗闇に射す、一条のひかりを
私たちは待っている
永遠
(
とわ
)
に消えない、只一つの火を
今夜、もう一人の誰かが
自らの内に、生まれようとしている
ほの暗い
ミサの
静寂
(
しじま
)
のひと時に
私たちは聴く
夜空の星々が囁きあう
遥か昔のベツレヘムから
時を越え
私たちの心の馬屋に響き渡る
あの産声を
自由詩
降誕の夜
Copyright
服部 剛
2016-12-20 23:57:16縦