たいていのことは
藤鈴呼



胸が ギューッ と 苦しくなったりすると
恋をしたのかって 思っていた

そんな時代が 

ゆっくりと
されど 
確実に 過ぎ去り

こんな 事態に なりました

例えば
布団の中で 丸まって眠る 瞬間に

足の指を ピコピコと 動かす癖が
いつの間にか 伝染してみたり

明け放った窓から
もう 午后で有ることを知って
驚いたり

顔を 見合わせたままの角度で
爆笑した後で

豊齢線を 冷やしたいと
本気で 願っていたり

私達は 決して
もやもやなど していないと

互いの 表情で
感じ取るのでしょう

あなたが 決して TVを点けない時間帯に
そのドラマの再放送が 流れてる

あの時 涙しながら 眺めた記憶

また 締め付けられる
今度は スキー靴よりも
強力な 角度で

指の甲に うっすらと
赤い染みが 残っているのです

すり傷や 切り傷が
当たり前だった時代

揺れる ブランコが
愛おしかった
あの日の空を

ゆっくりと 思い出しながら
呟くのです

たいていのことは
きっと
どうにか なるさ

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自由詩 たいていのことは Copyright 藤鈴呼 2016-12-18 14:21:58
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