凍る世界に
レタス

此処には見えない風が吹いている
どうしてなのかぼくには解らない
失った物も失われた物も解らない

石が転がり
葉は失われた
ぼくにはそれしか解らない

落ち葉がトランプのように散らばり
北の風に舞ってゆく

社会という組織から放たれ
自由を得た
渓流の魚のように透明になり
誰にも見つからないようになってしまった

孤独を恐れない存在になってしまったのだ
冬の渓流は冷たく
生死を賭けた世界だが
多分来年の春は迎えられるだろう


自由詩 凍る世界に Copyright レタス 2016-12-14 17:10:01
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